「私、失敗しないので」――。去年、第5シリーズが放送されたドラマ「ドクターX」の主人公・大門未知子の決めゼリフです。米倉涼子さん演じる大門未知子はフリーランスの天才外科医で、大学病院に雇われる形で誰もが尻込みするような難しい症例の手術に挑み、患者の命を救っていきます。
ドラマですから、実際にはほとんどあり得ない場面も登場しますが、リアルな医療現場に徹底的にこだわってしまうと物語になりません。私も、「医龍」などドラマの監修ではその点に苦労しました。とはいえ、「ドクターX」もしっかり医療監修されているので、医療関係者の目からも面白く拝見しました。
また、順天堂医院の院長を務めている私の場合、難しい手術に臨む大門未知子だけでなく、西田敏行さん演じる蛭間重勝院長の立場も、皆さんとは違う目で追いかけました。中間管理職である病院長は意外と苦労が多いのです。それだけに、さまざまな視点からドラマを楽しめました。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」