ドラマの中で、大門未知子は無謀な手術に挑んでばかりいるような印象がありますが、実はそうではありません。「もう1回だけしっかり検査をやり直した方がいい」と術前検査にこだわるシーンが頻繁に登場しますし、患者さんの検査データを見ながらどんな手術をすればいいかを悩み抜いている姿もよく見られます。失敗しないために、豊富な医学的知識と自分の勘を頼りにして綿密に準備を整えているのです。
99・5%という私の予定手術成功率も同じような準備に支えられています。予定手術においては、出たとこ勝負で行き当たりばったりに執刀しているわけではなく、計った通りに手術を行っているからです。術前に計算し尽くした“設計図”通りに手術を終わらせることが重要で、きちんとした設計図が描けていれば、本番はそれに沿って動くだけでいい。ですから、通常の手術で疲れることはありません。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」