更年期女性の1割が発症 微小血管狭心症のリスクを知る

30~50代の女性は注意(C)日刊ゲンダイ

 微小血管狭心症も生活習慣病がもとにあるから喫煙、寒さ、緊張、疲労、ストレスや更年期などが誘因となることが多い。症状が目立つのは30代半ばから50代半ばの女性だ。

「実際、この病気の70%が女性です。女性ホルモンには血管を広げる作用があるため、本来なら女性は血管が詰まりにくいのですが、39歳くらいから女性ホルモンが減り始め、更年期は大きく減少します。そのため閉経前後の45歳から55歳までの女性はとくにこの病気になりやすいのです」

 そのとき、どんな治療が行われるのか。

「カルシウム拮抗薬や硝酸薬、β遮断薬(太い血管の痙攣があれば禁忌)、ニコランジル、サルポグレラート(セロトニン遮断薬)などが使われます。女性ホルモンとの関係が深いので、症状がひどい場合はホルモン療法を施す場合もあります。ただし、狭心症へ進行することも少ないですし、閉経後しばらくすると自然と治ることもあります。そのため多くの場合、薬も必要ありません。痛みで困っている場合は不安定狭心症や心筋梗塞になるリスクがあるので、薬による治療が必要です」

 ただし、就寝時に胸の痛みがあって狭心症を疑って病院を訪れる人の中には、逆流性食道炎だったケースも多い。「心臓の検査で異常なし」と言われたら、念のため消化器内科に診てもらうことも必要かもしれない。

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