天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

ノロウイルスは心臓にも大きな負担をかける

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 これから本格的に「インフルエンザ」や「ノロウイルス」といったウイルス性疾患の季節が続きます。これらの感染症は若い世代がかかってもあまり重症化するケースは少なく死亡率も低いのですが、70歳以上の高齢者では死亡率がアップします。

 疑わしい症状が表れても、「自分は若いから大丈夫」などと軽く考えていると、高齢者にうつして深刻な事態を引き起こしかねません。ちょっとおかしいかもしれない……といった症状があれば、自己判断せずに医療機関にかかることをおすすめします。

 高齢者だけでなく、心臓に疾患を抱える人にとってもウイルス性疾患は大敵です。血圧や心拍数をアップさせるため心臓に大きな負担がかかることや、感染によって起こる炎症が心臓疾患の発症に関わっていると考えられています。インフルエンザは心臓発作の誘発率を倍増させるというデータがあることも、以前お話ししました。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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