大腸がんのリスクがアップ 盲腸を安易に切除してはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「大腸がんの人の大腸内では、フソバクテリウム・ヌクレアタムという腸内細菌が特異的に増えていることが報告されています。腸内細菌は大腸がんの発症に大きく関わっているのです。がんを退治するのは免疫細胞ですから、虫垂切除によって腸内細菌のバランスが崩れ、一時的に免疫力が低下した可能性があります」

 虫垂は重要な働きをしている器官なのは間違いない。急性虫垂炎に見舞われても、安易に手術で虫垂を切除することは避けた方がいいだろう。とはいえ、急性虫垂炎が重症化すると虫垂に穴が開いて腹膜炎を起こし、最悪の場合は死に至る可能性がある。病状によっては虫垂切除が不可避なケースもあるので、専門医と手術のメリットとデメリットを相談してベストな治療法を選択したい。

「また、虫垂を切除して大腸がんの発症がアップするのは、術後1年半~3年半で、それ以降はどちらもリスクが変わらなくなります。詳しいことはわかっていませんが腸内細菌のバランスが一定の期間で元に戻るのではないかと考えられます。大腸で働くIgA抗体は虫垂で作られていますが、小腸で働くIgA抗体は小腸のパイエル板というリンパ組織で作られています。切除された虫垂が担っていたIgA抗体を産生する機能を別の器官がカバーしている可能性もあります」

 すでに虫垂を切除してしまった人や、重症で切除せざるを得ない人も、いたずらに怯える必要はない。術後3~4年は大腸がんリスクが高いということを認識して、その期間は定期的に便潜血検査や大腸内視鏡検査を受けるようにすればいい。

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