数字が語る医療の真実

骨を形作るのに必須だが…ビタミンDは骨折を予防しない

食材ではきのこなどに多く含まれる(C)日刊ゲンダイ

 ビタミンDは骨を形作る上で必須のビタミンです。ビタミンDが不足すると、「くる病」、「骨軟化症」という骨がもろくなって変形や痛みを来す病気になります。

 このようにビタミンDは骨にとって必須ですから、ビタミンDを十分補ってやれば、骨が丈夫になって骨折が予防できるのではないかというのは、だれもが思いつく骨折の予防法でしょう。

 そこで、1992年に骨がもろくなる骨粗しょう症の女性に、ビタミンDを投与して、脊椎の圧迫骨折がどれほど予防できるかを検討した最初の論文が発表されました。

 その効果はなかなか衝撃的なもので、3年間の脊椎圧迫骨折が、プラセボを飲んでいたグループで31・5%に対し、ビタミンDを飲んでいたグループでは9・9%まで減少したという結果でした。骨折が3分の1になるという大きな効果が示されたのです。これ以後ビタミンDは骨粗しょう症の患者に広く使われていきます。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。

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