しかし、この研究から25年を経て、2017年にビタミンDによってどれくらい脊椎の圧迫骨折が予防できるかを検討した33のランダム化比較試験をまとめて検討したメタ分析の結果が報告されました。その結果はまたまた衝撃的なものでした。最初の研究結果に反し、脊椎の圧迫骨折だけでなく、股関節の骨折も含め、効果が認められなかったというのです。
いまだ広く骨粗しょう症患者に使われているビタミンDですが、今となっては高カルシウムの副作用を来すのが関の山で、骨粗しょう症の治療薬としての役割はほとんどないようです。薬の効果というのは、なかなか理屈通りにはいかないということが、ここでもまたはっきりと示されています。
数字が語る医療の真実