数字が語る医療の真実

骨を形作るのに必須だが…ビタミンDは骨折を予防しない

食材ではきのこなどに多く含まれる(C)日刊ゲンダイ

 しかし、この研究から25年を経て、2017年にビタミンDによってどれくらい脊椎の圧迫骨折が予防できるかを検討した33のランダム化比較試験をまとめて検討したメタ分析の結果が報告されました。その結果はまたまた衝撃的なものでした。最初の研究結果に反し、脊椎の圧迫骨折だけでなく、股関節の骨折も含め、効果が認められなかったというのです。

 いまだ広く骨粗しょう症患者に使われているビタミンDですが、今となっては高カルシウムの副作用を来すのが関の山で、骨粗しょう症の治療薬としての役割はほとんどないようです。薬の効果というのは、なかなか理屈通りにはいかないということが、ここでもまたはっきりと示されています。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。

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