末期がんからの生還者たち

前立腺がん・大腸がん<2>退院間際に主治医に呼ばれ「しまった!」

吉田博行さん(C)日刊ゲンダイ

■前立腺はホルモン療法が効いたが…

 年が明けて2015年1月になると、吐き気が加わり、血便も続き、不愉快な残便感がある。

 自宅から近いクリニックを訪ね、症状を説明すると、再び「東京医療センター」を紹介された。

 3月、1週間検査入院し、MRIや内視鏡の検診では「直腸の腫れ」が認められ、診察画像を見せられると、内視鏡が入らないほど直腸が腫れていたのである。

 退院前日、担当医師から、「奥さまを呼んで下さい」と言われた。吉田さんはピンときたという。

「あっ、大腸がんだなと思いました。私は毎年、大腸がんの検診を続けていたのです。ただし、なぜかこの7年間は休んでおりまして、しまった! と思いました」

 吉田さんの「大腸がん(直腸)」は「ステージ3a」で、担当医師から「症状は想像以上に重いですよ。難しい手術になります」と、深刻な口調で説明された。心臓がバクバクするほどのショックを受けて退院した。「前立腺がん」に続いて、2度目のがん告知である。

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