独白 愉快な“病人”たち

中1でギラン・バレー症候群 美馬寛子さんは陸上に救われた

中学1年生のときに自宅で倒れ「ギラン・バレー症候群」と診断された/(C)日刊ゲンダイ

 当時から身長163センチだった私は、小児科のベッドには納まらず、産婦人科での入院となりました。そこには車椅子で移動する同じ病気の女性がいて、思わず母が「代わってあげたい」と呟いたのを聞きました。幼いながら「親不孝なことをしてるんだな」と思ったことを覚えています。

 入院中は、ただ安静にして点滴で栄養などを取り、10日に1回ぐらい髄液を採って調べるだけ。背骨の、骨と骨の間に注射針を刺され、髄液を採られるのはつらかったですけど、これといった治療は特にありませんでした。特効薬がないのです。

■走り高跳びをすすめてくれた先生に救われた

 実はこの病気は菌が脊髄に入って悪さをする病気で、菌が体から排出されれば症状も治まるんです。そして、特に体内にたまる水銀と関係があるといわれているようです。実際、私は生まれつき体内の水銀量が多く、肝臓での水銀分解力が弱いようなんです。完治はしない病気ですが、幼いうちに発症した場合は、再発の確率はとても低いと言われました。

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