大腸がんは“右側”が危ない 世界中の研究者・専門医が注目

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 内胚葉ではさらに消化管のもととなる「原腸」がつくられる。この原腸は頭側からお尻の方に向かって、「前腸」「中腸」「後腸」に分かれ、前腸は咽頭・食道・十二指腸の上半分へと分化し、中腸は十二指腸の下半分・小腸・盲腸・虫垂・上行結腸・横行結腸の右3分の2へと変化。後腸は横行結腸の左3分の1・下行結腸・S状結腸・直腸となる。

「このため中腸に属する右側の大腸と後腸に含まれる左側の大腸とでは、分化の過程で発現する遺伝子の種類や数が変わります。しかも、右と左では便の硬さなどが違うので、そこに巣食う腸内細菌叢も変わります。右側の大腸の便は液状なので、それを好む細菌が集まり、左側の便は固形なのでそれにふさわしい細菌が集まる。当然、そこから受ける遺伝子への刺激も変わります。その結果、がん化の直接の引き金となる、がん遺伝子やがん抑制遺伝子の変異に左右差ができるのです」

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