皮膚を科学する

米国の大学研究チームが発見 新しい日焼け止め物質か?

紫外線からDNAを守る(C)日刊ゲンダイ

 メラニンは表皮の一番下、真皮との境に約10%の割合で分布するメラノサイト(色素細胞)が作る色素。メラノサイトは紫外線の刺激を受けると、メラニンの入ったカプセル状のメラノソームという小器官を形成させ、周囲のケラチノサイト(角化細胞)に渡す。するとケラチノサイトは取り込んだメラノソームを、帽子をかぶるように核の上に集合させ、紫外線からDNAを守る仕組みだ。

「研究では、人間のケラチノサイトに合成ナノ粒子を加え、シャーレ上で培養しています。その結果、合成ナノ粒子がケラチノサイトに吸収され、人のメラニンと同様に細胞核がかぶるメラニンキャップになると報告しています。また、合成ナノ粒子は皮膚を黒ずませる色素としても機能するとしていますので、たしかにメラニンの働きと非常に酷似しています」

 研究チームは培養した皮膚細胞を紫外線に3日間さらして、DNAの保護効果も検証。ナノ粒子を吸収した皮膚細胞は50%が生き残ったのに対して、ナノ粒子なしの皮膚細胞は10%しか生存しなかったと報告している。

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