問題は、どちらか一方が欠損型の「部分欠損型」です。日本人の45%を占めます。
このタイプは、アセトアルデヒドの分解力があっても十分ではありません。飲酒量が増えるにつれて、アセトアルデヒドが体内に蓄積されます。それが血管を拡張させ、顔を赤くすると同時に発がんリスクを高めるのです。このタイプが大量に飲酒を続けると、食道がんのリスクが95倍にアップするという報告もあります。
飲むといつも顔が赤くなる人だけでなく、飲み慣れるうちに赤くなりにくくなった人も、部分欠損型と考えられます。後者のタイプも、発がんの危険性が高いでしょう。ALDH2の変異は、アジア人の一部にしか見られません。赤ら顔で飲んでいる人は、せめて検診を定期的に受けて早期発見を心掛けることです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁