糖尿病の新たな合併症「糖尿病性認知症」の症状と治療法

糖尿病を放置するとまずい(C)日刊ゲンダイ

■軽症認知症と誤診も

 羽生医師が診ている糖尿病性認知症の患者のほとんどは、別の医療機関から紹介された人たち。患者が認知症を疑って医療機関を受診し、それらで認知症と判明したものの、どのタイプか分からず、羽生医師の外来へ、という流れだ。

「症状を細かく伺い、MRIと脳血流スペクト検査(脳の血流分布の映像化)を行います。これらで鑑別が難しければ、脳のPET検査や脳脊髄液検査を行います」

 PET検査や脳脊髄液検査は、アルツハイマー型であれば蓄積が認められる物質の有無をチェック。特殊な検査で、限られた医療機関でしか受けられない。

 しかし、ここまで必要なケースは多くなく、大半は「糖尿病があり、実行機能障害、注意力低下が著しい。記憶力障害はそれほどではない」「MRIや脳血流スペクト検査でアルツハイマー型が否定される」の2つのポイントで診断可能だ。

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