愉快な“病人”たち

写真家・加納典明さんは手術4度 恐怖より興味で前向きに

「正確な判断がすべて」と語る加納典明さん(C)日刊ゲンダイ

 車が好きだし、仕事も忙しいから、50年間ぐらいほとんど歩かない生活だった。ジムなんか行かないし、体なんて鍛えない。皇居の周りを走ってゼイゼイ言っているオジサンを見ると、呼び止めて「体に悪いからやめた方がいいよ」って言いたくなる(笑い)。

 そのくらい何もしなかったんだけど、心臓の弁の置換手術をしてからは週3回はジムに通っている。体が柔らかくなるし、筋肉もつくし、この年だから成果が如実で、体を鍛えるって大事だなと思った(笑い)。

 心臓の弁置換術を受けたのは2016年の夏だった。そもそも、その1年前に「労作性狭心症」で手術をしていた。慶応病院でのカテーテル手術で、冠動脈にステント(血管を広げるための金属の網目状の筒)を入れた。その時すでに大動脈弁が少し弱っていることは聞かされていたが、経過観察にとどまっている状態だった。

 ステントを留置した後、「少し動いたほうがいいですよ」という医師の助言で、地下鉄にも乗り始めたが、住んでいたのが坂の上のマンションだったから徐々に息苦しさが増していき、しまいには、たった50メートルの距離が苦しい状態に……。「もう、これはやばいな」と再び慶応病院を受診したんだ。

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