独白 愉快な“病人”たち

写真家・加納典明さんは手術4度 恐怖より興味で前向きに

「正確な判断がすべて」と語る加納典明さん(C)日刊ゲンダイ

■「病気も生きていることそのものだ」と捉える

 40歳から年1回、人間ドックを受けているのも裏付けのひとつ。定期的に調べているから、時に病気が発見される。2009年には「初期の胃がん」が2回見つかり、いずれも内視鏡手術で切除した。翌年には「頚動脈狭窄症」で頚動脈内膜剥離手術を受けた。

 病気は捉え方ひとつ。自分にとって病気は「事」でしかない。「不安」とか「迷惑かけるな」といった情緒を持ち込まない。正確な判断がすべてで、「これが事実だ」と線を引く。生きていれば、常に死とは隣り合わせ。怖がってばかりいたんじゃ生きていることにならない。「病気も生きていることそのものだ」という捉え方をする。

「知るのが怖いから健診に行かない」なんて、オレに言わせれば生きていないのと同じ。病気を恐れたり落胆したりするのは、人間として幼いんじゃないかな。ケガも病気もひっくるめて、事実を事実として受け止め、前向きに対処する「プロの人間になれ」と言いたい。

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