便が出ないことも…雪道での“尻もち後遺症”を甘く見ない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■痛みが続くなら病院で検査を

 雪道の転倒でよくあるのが、尻もちをついた拍子に後頭部を打つことだ。その際、とっさに手をついたり、腰をひねって身を守ったために手や腰を痛め、その治療に注意が向いている間に、慢性硬膜下血腫が広がることがある。「赤坂パークビル脳神経外科」(東京・港区)の福永篤志医師が言う。

「慢性硬膜下血腫とは頭部への衝撃で頭蓋骨の下にある、脳を包む硬膜と脳がぶつかりあうことで血管が切れ、その隙間(硬膜下腔)に血がたまって血腫ができる病気です。時間が経ってから物忘れや筋力の低下が表れます。患者の半数は60歳以上ですが、40代、50代でも発症する。血液サラサラの薬を飲んでいる人は発症リスクが高くなります」

 この病気が恐ろしいのは打撲から1~3カ月後に発症し、記憶にない程度の軽い頭部打撃でもキッカケになること。「よくつまずく」「体が傾いて歩く」「スリッパがすぐに脱げる」などの症状から発覚することが多い。

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