末期がんからの生還者たち

卵巣がん<3>酒が一滴も飲めないのに抗がん剤で酔っぱった

大塚美絵子さん(C)日刊ゲンダイ

「手術ができないから抗がん剤投与という治療方針だったのにその抗がん剤治療が始められない。この時ばかりは死を覚悟しました」

 大塚さんはベッドに伏せ、大粒の涙をこぼしながら家族、友人、恩師、会社の人たち、医師ら、これまでお世話になった約40人に感謝の気持ちを込めてメッセージを書き残した。エンディングノートである。

■初回は泥酔したような錯乱状態に

 他方、問題のヘパリン投与ストップからほどなくして肝臓が回復。24日に第1回の抗がん剤(パクリタキセル+カルボプラチン)が投与(点滴)された。

 抗がん剤、パクリタキセルは強烈な治療効果を持つが、添加剤としてアルコール(無水エタノール)を含有している。副作用には個人差もあるが、直接血管内に注入することから、とりわけ下戸にはたまらない。大塚さんは酒を一滴も飲めなかった。

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