末期がんからの生還者たち

卵巣がん<3>酒が一滴も飲めないのに抗がん剤で酔っぱった

大塚美絵子さん(C)日刊ゲンダイ

「初回は泥酔したような錯乱状態で、その後も気絶、幻覚、幻聴、二日酔いに悩まされました」

 しかし、治療効果はてきめんだった。7月、8月、9月と3クール実施し、腫瘍径が約半分に縮小。CA125(腫瘍マーカー)は1300から34まで低下した。

 11月13日、ようやく念願の手術日を迎えた。7時間20分に及ぶ大手術で、約30センチ開腹し、卵巣、子宮、腹部リンパ節57個を郭清した。

 しかし、苦しい治療の終了ゴングが鳴るまで、大塚さんにはもう一戦残されていた。年が明けて2013年1月から3月まで、再発リスクを抑えるための補助化学療法が待っていた。 

 ほぼ1年間に及ぶ治療費総額は、高額医療費限度額制度の恩恵もあり、個人負担(3割)で、約70万円前後だった。

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