「心臓手術は午前中よりも午後に実施した方が安全性が高まる」
昨年末、そんな研究が英国の医学雑誌「ランセット」に報告されました。フランス・リール大学の心臓専門医チームが、心臓弁膜症などで人工弁置換術を受けた患者596人の術後の経過を500日間にわたって追跡調査したところ、期間中に心臓発作や心不全、術後の死亡を含む合併症を発症したのは「午前」が298人中54人だったのに対し、「午後」は298人中28人。術後に合併症を発症するリスクは「午後」の方が50%も低かったといいます。
研究者は「心臓は体内時計の影響で午前より午後の方が強くなるため、手術に耐えやすくなる可能性がある」と話しています。たしかに、体内時計も多少は関係しているかもしれませんが、私の経験からお話しすると、この研究はスタート時点から“バイアス”がかかっているのではないかという印象を受けます。
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