治らない喘息に新治療 気管支サーモプラスティの実力とは

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■ステロイドの内服薬をやめられる人も

 注意しなければならないのが、治療後、大半の症例で喘息が一時的に悪化する点だ。そのため、喘息の悪化に備えて対処する。

「悪化の程度はさまざまで、ほとんど変化がない人もいれば、酸素吸入が数日間必要になるような人もいます。肺機能が治療前の8割程度に回復するのを待ち、退院となります。1回の入院期間は当院では1週間前後です」

 気管支サーモプラスティの治療方法は全国どこも同じであるものの、治療の流れは病院によって異なる。

 治療後は、徐々に喘息症状の緩和が得られていく。効果が得られる患者は、峯下教授の経験では7割ほど。ステロイドの内服薬や分子標的治療薬をやめられるような、極めて高い効果が得られた患者もいる。

 優れた治療法だが、押さえておかなければならないポイントはいくつかある。まず、前述の通り、ガイドラインに沿った標準的な治療法が効かない患者が対象。コントロール不良の喘息患者には、喘息の管理が不十分な人が少なくない。まれには「そもそも喘息ではない」患者もいる。

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