末期がんからの生還者たち

炎症性乳管がん<1>主人にはひょっとしたら…と伝えておきました

原田祐子さん(提供写真)

 4月に入った。仕事も忙しかったが、相変わらず左の乳房が硬く、それが広がっているように感じた。

 4月中旬になって、「やっぱり病院に行ってみよう」と、自宅から車で20分ほどのところにある豊田市の総合病院・外科を訪ねた。

 指診など、ある程度の精密検査を受診したが、このとき、担当医は診断を示さなかった。それから1週間後、病院から、「もう少し詳しく診察します。食事はしないで来院してください」と連絡が入った。検査の翌週、主人と同伴で、再度病院を訪ねる。再びCT、MRIなどの精密検査を受け、「炎症性乳管がん、ステージⅢB」と、告知された。

 病院に行く前に原田さんは、インターネットで乳がんを検索した。

「主人には、ひょっとしたら乳がんかもしれないと、伝えておきました」

 覚悟をしていたのか、主人は担当医師の告知を聞いても、あまり驚きを見せなかった。2人の子ども(大学生、高校生)にも伝えたが、「あ、そう」と、軽く受け止めてくれたという。

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