末期がんからの生還者たち

炎症性乳管がん<1>主人にはひょっとしたら…と伝えておきました

原田祐子さん(提供写真)

 乳房は乳汁を作る乳腺と、乳汁を運ぶ乳管、それを支える脂肪から構成されている。

 ほとんどの乳がんは乳管から発生し、「国立がん研究センター」によると、毎年の罹患数は推定で7万例強である。

 30代で増加し、40~50代でピークを迎えてその後は減少していく。

 5年生存率は、しこりが2センチ以下のⅠ期ならほとんどが完治する。原田さんの場合は、すでにリンパ節に転移し、むくみも乳房全体に広がり、赤みがかっている炎症性乳管がんだった。病期は末期に近い「ステージⅢB」で、治療の選択から、手術は外された――。

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