天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

心臓疾患にかかりやすい血液型があるのは本当か

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 それでも、いわゆる血液型占いでよく言われている「血液型気質」が、多少なりとも心臓疾患の発症に影響している可能性はないとはいえません。例えば、O型の人は「のんびりしていて、小さなことにはこだわらない性格」だと喧伝されています。科学的根拠はありませんが、そうした“情報”を頻繁に目にして自己暗示にかかり、その傾向に近づいていくことは起こり得ます。

 心臓病は、すぐにイライラして怒りっぽかったり、何事も徹底的にやらないと気が済まない性格の人がかかりやすいという報告があります。これは、よく言われるA型気質です。逆に、いわゆるO型気質の人はその正反対に当たるというわけです。いずれにせよ、血液型と疾患の関係は今後もさまざまな研究が進んでいくと思われます。

■心臓手術は最も血液をムダにしない手術

 血液型といえば、手術する際にかなり気を使う場合があります。AB型Rh(-)の患者さんです。

2 / 4 ページ

天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

関連記事