目のかすみや視力低下…実は「性感染症」が原因かも

(C)日刊ゲンダイ

 梅毒は梅毒トレポネーマという病原菌が原因で起こる性感染症。感染して1週間から10日後に病原菌の侵入場所にコリコリとした硬結や潰瘍ができるが、これは治療しなくても自然と消える。これが第1期。さらに3カ月後には手のひらや足の裏などに赤い発疹ができる場合がある。これが第2期で多くは治療しなくてもやがて症状が消える。

「強力な抗菌薬の登場で梅毒は治療できるようになりました。そのため、かつてのように梅毒による典型的なぶどう膜炎を見ることも少なく、私自身も40年近い眼科医師生活で10例程度です。ただし、梅毒性の虹彩毛様体炎や視神経炎などは増えている印象があります」

 虹彩とは黒目の周りにある色のついた部分を言い、その伸び縮みにより光の量を調整する。毛様体は水晶体の厚さを調節してピントを合わせる働きをする。

「虹彩毛様体炎は虹彩にある血管が反応して虹彩とその隣にある毛様体に炎症を起こす病気です。通常は両目に発症します。視神経は、網膜で集められた光を脳に伝える神経線維の集まりを言い、そこに炎症が表れるのが視神経炎です。視神経炎が怖いのは放置するとやがて視神経萎縮が起きて失明するからです」

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