Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

医療にも人工知能普及 AIがん診断は胃も皮膚も正答率9割

 そこで、ワトソンに女性の遺伝子情報を入力したところ、10分ほどでより特殊な白血病と診断。AI診断を基に抗がん剤を変更したところ、女性の命が救われたのです。この女性のほかに、診断が難しかった2人についても特殊な白血病を見抜き、治療方針が決定されたほか、合わせて41人についてワトソンが診断や治療に役立つ情報を提供したのです。

 AI診断がますます普及するのは間違いありません。それで医師の仕事の多くが肩代わりされることから、患者の心を支えることが医師の仕事になると思います。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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