見逃しは減り排尿障害も回避 前立腺がん最新検査と治療法

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 この新しい生検は先進治療Aとして昨年承認され、11万300円で実施。全国7カ所の病院で行われている。従来の生検では過剰診断・過剰治療につながる可能性があり、今回の新しい技術はそれを避けることにつながると期待されている。

 小路医師らはこの生検を利用して新たな治療にも取り組んでいる。性機能や排尿に影響する部分を可能な限り温存する「前立腺部分治療」だ。

 前立腺がんは、たとえ患者への体の負担が少ないロボット治療(腹部に数カ所穴を開けて内視鏡とロボットアームを挿入してがんを切除)でも、術後合併症として勃起障害、排尿障害が出てくることがある。 

 しかし、小路医師らが始めたMRIと超音波の検査をすれば、前立腺がんの大きさや場所が分かる。勃起神経や尿道を回避して前立腺がんだけを部分的に治療できれば、勃起障害、排尿障害を起こすリスクは減る。

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