とはいえ、場面緘黙症には、「だれと」「どこで」「何をしている時」が大きく関係している。安心できる人・場所で、楽しいことをしている時には不安を感じにくい。
ずっと話せなかった子供が、この3つの条件が重なったところでポロッと言葉を発し、それ以降少しずつ話せるようになるケースは珍しくない。そこで新井医師は親とともに園・学校に赴き、教員らとともに話し合って安心できる状況をつくり出すようにしている。
「多くの人は成人になると話せるようになります。やりたいこととの出合いがきっかけで話せるようになる人も。親御さんは内心は心配でも、ぜひとも楽観的な態度で子供と接してください」(新井医師)
■「歌いたいという強い気持ちがあったから」
CD「緘黙の歌声」を出したシンガー・ソングライターの若倉純さん(40=写真)は、大学入学まで場面緘黙を経験したという。その時の話を語ってくれた。