寒い2月に増える血管病 “離婚歴あり独身男”が危ない理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 東邦大学医学部名誉教授で平成横浜病院健診センター長の東丸貴信医師が言う。

「冬は寒さが刺激となって交感神経が活性化し、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのカテコールアミンが放出され、血管が収縮されて血圧が上昇することがわかっています。欧米の研究では夏に比べて冬は収縮期血圧が5~10㎜Hg高い。春の健康診断で130台の正常高値だったのに、2月に測ったら180㎜Hgを超えたという高齢者の患者さんは少なくありません」

 血圧はとくに朝に跳ね上がりやすい。体の日内周期変動で交感神経が活性化し、血圧と心拍数が一気に上昇するからだ。起床後1時間は、血液が固まりやすいことも影響するため、急性心筋梗塞は午前6~10時に起きやすいといわれている。

「しかも、何げない行動が危険な水準まで血圧を押し上げることがあります。トイレやゴルフ、掃除などで前かがみにしゃがむ姿勢は心臓が圧迫され呼吸しづらく、血圧が高くなりやすい。排便時に軽くいきむだけで最大血圧が60~70以上アップすることも。朝、跳ね起きるなど急に立ち上がることも危険です。暖かい居間から寒いトイレやお風呂、車内から屋外など温度差10度以上の場所への移動も血圧が急激に上がります」(東丸医師)

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