末期がんからの生還者たち

S状結腸がん<4>「米国のがん治療機関では歓迎された」

岡田隆さん(提供写真)

「完璧な医療体制を知り、また新たな人との出会い、長い入院治療の間に、英語のラジオ講座・映画に触れるなど新しい楽しみも見つけました」

 米国の有名ながんセンターなどで、治療の副作用を和らげる目的で、統合療法として、「太極拳」「鍼灸」などもやっていると知ると、「本当にやっているのかと、米国を訪ねて視察し、専門医師に遠慮なく質問もしました」。

 米国の各施設では、いずれも「よく来ましたね!」と歓迎されたという。

 2006年に「5年生存率」を超え、翌年の07年、病院の担当医の先生から「一切のがん治療は終了しました」と告げられる。思わず人知れず、涙がこぼれた。 

 しかし再発、転移を考慮し、定期的な検査、検診を怠っていない。 

「現在まで、命があることに感謝、恩返しとでもいうのでしょうか、これから先、医療ボランティアを含めた社会貢献を少しでもできればと思っています」 

 岡田さんはそう言い、顔をほころばせた。

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