役に立つオモシロ医学論文

喫煙本数が少なければタバコは体に害はない?

やはり禁煙が大切(C)日刊ゲンダイ

 たとえ1日1本の喫煙だったとしても、喫煙未経験者に比べて心臓病や脳卒中の発症リスクは統計学的にも有意に増加し、そのリスクは1日20本喫煙する人のリスクの約5割に匹敵することが示されています。言い換えると、たばこを1日20本吸っている人が、1日1本に減らしたとしても、リスクは20分の1になるのではなく、半減するにとどまるということです。

 たった1本でもリスクが増加するというこの論文結果は、心臓病や脳卒中のリスクを増加させないような安全な喫煙本数が存在しないことを示しています。心臓病や脳卒中のリスクを増加させないためには、喫煙本数を減らすのではなく、やはり禁煙することが大切なのでしょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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