死亡者は熱中症の1.5倍 「低体温症」は室内でも起こる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■室温を20度以上に保つこと

 冬に低体温症で救急搬送される患者は高齢者が多く、糖尿病や循環器疾患などの基礎疾患を抱えているケースが目立つという。

 高齢者は、熱をつくり出す筋力の低下や低栄養などの影響によって体内で熱を生産して体温を維持する機能が衰えている。寒さに適応する力が弱く、室内でも気温が低いと短時間で低体温症に陥るリスクが大きいのだ。また、低体温状態に慣れてしまったり、意識障害が表れることなどから自覚しづらい点も注意が必要だ。

 軽度の低体温症(35~32度)の場合は、室温を高くしたり、温かい物を飲ませたり、毛布をかけるなどで回復する場合があるが、中等度以上(32度以下)の低体温症の場合は、急激に体表面を温めるとショック症状を引き起こす危険がある。震えに加え、意識が混濁しているようならすぐに救急車を呼んだ方がいい。

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