末期がんからの生還者たち

すい臓がん<3>「娘も独立し、がんで死ぬのも悪くないと」

池田実さん(提供写真)

「私はこの時68歳でした。娘も一人前になって独立したし、がんで短期間に死ぬのも、人生の終わり方としては悪くはないと思いましたね」

 11月20日から、「抗がん剤」の治療が始まった。毎週1回、通院して点滴による抗がん剤(ジェムザール)を投与。4週間を1クールとして11回、ほぼ1年間続けた。

 副作用はだるさと、うつ症状程度。思っていたより軽かった。体重も45キロから49キロまで回復した。

 13年末に抗がん剤治療が終了し、医師から「再発」の兆候なしと診断される。池田さんは2年ぶりに、05年に自分が立ち上げたITベンチャー会社に復帰した。

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