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スエットで近所外出が命取り? 春先の“温度落差”に要注意

薄着でフラッとが危ない(C)日刊ゲンダイ

■数分程度の外出でも一枚羽織る

 オフィスなら安心というわけでもない。

「例えばデスクワークをした後に、そのままの服装で暖房の効いていない建物内を移動する。この行動で、血圧(㎜Hg)は、10以上15未満の上昇が考えられます。動悸や、軽い頭痛などの疾患を起こす可能性があります」(前田眞治教授)

 満員電車で暑いからとコートを脱ぎ、そのまま駅の寒いホームに降りる。その後すぐにコートを羽織っても、血圧の上昇リスクは高いという。ほんの一瞬の行き来にも危険を伴うのだ。スエットなどの部屋着のままベランダに洗濯物を干しに行ったり、ゴミ捨てに出たり、コンビニなどに買い物に行く。

「こうした数分程度の“外出”でも血圧を15以上、上昇させることが分かっています。これは“準備運動”なしで、いきなり激しい運動を始めた場合の最初の1分と同じレベルの血圧上昇をもたらします。心臓に大きな負担がかかり、不整脈、脳卒中を引き起こす可能性がある。温度落差には、保温性が高く着脱容易なフリースを1枚羽織るだけでも効果はあります。なお、実験は健康な30代を対象に行っていますので、年齢は関係ありません」(前田眞治教授)

「春めいてきたなあ」と薄着で外出するには、まだ早そうだ。

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