Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

原因は口腔性交と経験人数 中咽頭がんは男性が高リスク

 岐阜大学の研究グループが女性122人にオーラルセックスについて調査したところ、「必ず行う」「50%以上の割合で行う」と答えたのは77%に上りますが、「行わない」はわずか8%と少なかったのです。

 オーラルセックスは若い世代ほど定着していて、30歳以上は「必ず」「50%以上」の合計が57%でしたが、20歳以上は81%、10代は90%と若くなるほど増えているのです。

 その結果が中咽頭がんの増加です。このがんは喫煙も大きな原因ですが、オーラルセックスに伴うHPV感染による発症が広がっています。

 米国では60~70%、日本では半数がHPVが原因とみられていて、米俳優のマイケル・ダグラスさん(73)がセックスによって発症したことを告白した時は、世界的なニュースになりました。

■HPVワクチンで予防

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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