生活と健康 数字は語る

糖尿病は減少傾向だが減っているのは「否定できない人数」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それでは糖尿病の人は増えているのでしょうか。「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病を否定できない者」を合わせた推計人数は平成9年の1370万人と比べれば増えていますが、平成19年の2210万人をピークにその後は減少傾向にあることが示されています。

 ただし、「糖尿病が強く疑われる者」に限れば、平成9年の調査以来増加傾向で、平成10年に890万人だったものが平成28年には1000万人という結果です。全体の減少は、「糖尿病を否定できない者」の減少で、単純に減っているというものではありません。さらなる検討が必要です。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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