末期がんからの生還者たち

すい臓がん<4>手術後は人が変わったようにスポーツに熱中

池田実さん(提供写真)

 紅葉が目立つようになった2014年秋、池田実さん(当時70歳=千葉県船橋市在住)は、「千葉徳洲会病院」の高森繁院長室を訪ねた。  

 高森院長(現在、千葉県市原市「五井病院」院長)は池田さんの担当医。難度の高い「すい臓がんステージⅣa」に続き「急性無石胆のう炎」の執刀を担当。その後1年間、「抗がん剤」の治療を含め、経過観察を担当していた。

 池田さんは少し緊張して院長室のドアを開けた。高森医師は笑みを浮かべて、こう言った。

「これで2年間が経ちました。再発はありません。よかったですね」

 池田さんは、当時を振り返りこう言う。

「2年前の検査で、すい臓周辺の血管に、複雑にからまる腫瘍を見た担当医師が、手術は無理と判断して、余命3カ月と告げられました。それを高森院長が『私がやりましょう』と、執刀してくれたのです、命の恩人です」

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