末期がんからの生還者たち

すい臓がん<4>手術後は人が変わったようにスポーツに熱中

池田実さん(提供写真)

 池田さんは現在も、定期的に高森医師の診察を受けている。

「今となっては思い出話になりますが、手術を決断した高森先生は、『他の医師からやめたほうがいい、と言われた。でも結果がこうなって私もうれしい』と、回想しておりました」

 ただ心残りは、2年間に及ぶがんの治療で、自分が立ち上げたITベンチャー会社から良い形で退任できず、足が遠のいたことだ。

 それでも勇躍、池田さんは新たなビジネスに挑戦しようと昨年から、新しい事業にチャレンジしている。バックパック(リュックサック)を改良した新商品の開発だ。

「現在、特許申請中で詳しくは申しあげられませんが、背負ったままのリュックサックを横、前に、簡単に自由に移動できる商品です」と、目をキラリと光らせる。

 6年前、「すい臓がんステージⅣa」と診断され、5年生存率、1.4%(日本すい臓がん学会)を乗り越えた元患者とは思えない。驚くべき生命力である。

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