我慢や努力は一切なし 楽してできる「生活習慣病」予防

電動アシスト自転車(上)はひざを痛めないのも利点 塩分量が少ない調味料を使う(下)
電動アシスト自転車(上)はひざを痛めないのも利点 塩分量が少ない調味料を使う(下)(C)日刊ゲンダイ

 楽に生活習慣病対策ができれば、それに越したことはない。運動嫌いでおいしく食事をしたいという人でもできる方法を紹介しよう。

 ペダルをこぐのをモーターが補助してくれる電動アシスト自転車(以下、電アシ)は、疲れにくく体力がない人も使いやすい。普通の自転車と比べて発進や坂道、向かい風の際のふらつきが少なく、安全性の向上にもつながる。

 だから普通の自転車より電アシの方が活動量が低いかと思いきや、「実はあまり変わりません」と言うのが、自転車や電アシに詳しい「三井住友トラスト基礎研究所」の研究理事・古倉宗治氏だ。

 身体活動の強度を表す単位(運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍か)をメッツという。

「厚生労働省の身体活動基準」によると、自転車は4・0メッツ、電アシは3メッツで、65歳以上の高齢者では、自転車こぎを1日40分(片道20分)週5回行えば健康維持に役立つ。

「電アシではそれよりやや長めがいいでしょう」(古倉氏)

 同程度のメッツである「こまめに歩く」「階段を使う」「週2回はジムに通う」などが無理なら、電アシで活動量を増やしてはどうか? 買い物や通勤に役立てれば、一石二鳥だ。

「ひざの負担が体重の3割しかかからないのもいい。ジョギングは体重の5~6倍、ウオーキングは2~3倍、負担がかかります」(古倉氏)

 なお、電アシは“アシストし過ぎる電アシ”が最近問題視されている。自転車安全基準への適合を示すBAAマーク付きのものを選ぶべき。

■物足りなさゼロの減塩法

 管理栄養士・浅野まみこ氏は、時間がなくコンビニ活用が多いタクシー運転手への糖尿病予防の食事として定食を意識したメニュー構成とともに、「温かい汁物を加える」ことを提案。満足度を上げ、食べ過ぎや間食を防ぐ。これは、サラリーマンにも適している。

「コンビニで選ぶなら、たとえば豚しゃぶサラダ、シャケのおにぎり、そして海苔の味噌汁。炭水化物は一つにします。メインの豚しゃぶサラダは加工の少ない料理を。味噌汁で満足感を得られます。温かいお茶でも結構です」(浅野氏)

「弁当の方が“定食”では?」と思う人もいるだろうが、弁当では食べたくないおかずも、もったいないからと食べることになる。自分自身で定食を作る方がベター。

 減塩を心掛けているが味気なくて続かない、という人には、この方法だ。

 慈恵医大病院栄養部の赤石定典氏(管理栄養士)が説明する。

「ゆで卵の表面に塩を振れば、舌に最初に塩が乗り、塩分が少なくてもしっかり塩味を感じる。舌が最初に塩味を感じる場所に塩分を付けるのがポイントです」(赤石氏)

 ほかの料理でも応用できる。刺し身は表面積の少ない角っこに醤油を付け、そこから舌に乗せる。焼き魚は食べる直前に塩を振ると、少量の塩でOK。焼く前に振ると魚に染みこんでしまい、食べる時、物足りない。

 赤石氏によれば、醤油↓味噌↓ソース↓ケチャップ↓マヨネーズの順で塩分量が減る(同量で比較した場合)。どの調味料を使うか迷ったら、塩分量が少ない方を選ぶのも手だ。

「また、和食が続くと塩分摂取量が増えます。昼を和食にしたら夜は洋食、というふうに変化をつけるといい」(赤石氏)

 どれか一つでもいい。早速始めよう。

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