末期がんからの生還者たち

肺がん<2>「一緒に健康診断を」友人の誘いが救いになった

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 橋本さんは身長156センチ、体重65キロと少し肥満気味だが、座骨神経痛以外にこれまで病院の世話になった経験がない。

「何十年とどこも悪いところがないし、3食とも食事はおいしい。ただ、年金生活者で地味な生活を送ってきましたから栄養に偏りがないかが心配でした」

■「肺がん」という病名は浮かばず

 当日は検査のために朝食を抜いて、友人と2人で自宅から徒歩10分というクリニックを訪ねた。問診、身体測定、血圧、尿、心電図、胸部X線検査など1時間ほどの簡単な受診で帰宅。1週間後、検査結果を聞きに再びクリニックを訪ねると、院長がX線の画像を見ながらこう言った。

「肺に気になる影が見えます。総合病院を紹介しますから、精密検査を受けてくださいね」

 肺に影――。そう告げられても、橋本さんの頭の中には「肺がん」という病名はまったく浮かんでいなかった。

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