2017年もあと数日で終わろうとしている12月末、長女と一緒に自宅から歩いて十数分という総合病院を訪ねた。再び血液検査、CT、MRI検査などを受診し、結果が出るまで気持ちが落ち着かない不穏な1週間を過ごした。
今度は夫が病院に付き添い、診察室を訪ねると、担当医師からこう告知される。
「肺がんがステージⅢまで進行しています。肺の所々に腫瘍が散らばっており、手術は難しいと思います。治療は『国立がん研究センター』を紹介しましょう」
「日本対がん協会」の統計(2015年)によると、肺がんの検診に335万人が受診し、そのうち肺がんの発見は1559人。発見率はわずか0.05%に過ぎない。
しかし橋本さんは、友人の誘いで無料の胸部X線検査を1回受診しただけで、肺がんを発見することができた。
末期がんからの生還者たち