費用約1万円 予防でインフル治療薬投与はどこまで有効か

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その理由はインフルエンザウイルスの感染・増殖の仕方にある。インフルエンザウイルスはそのままの状態では細胞にくっつけない。呼吸器と腸管などにあるプロテアーゼと呼ばれるタンパク質分解酵素に、ウイルス表面にあるヘマグルチニン(赤血球凝集素)が触れることで活性化。細胞表面のシアル酸レセプターと結合し感染力を持つ。

 その後は細胞の飲食作用により細胞内に取り込まれて大量のウイルスを作成。新たなウイルスが細胞を離れるときは、ウイルス表面にあるノイラミニダーゼでシアル酸レセプターを切り離さなければならない。

「タミフル、リレンザ、イナビルはこのノイラミニダーゼの働きを阻止して、細胞からウイルスが放出されるのを阻止します。ただ、ウイルスは発症から48~72時間で増殖のピークを迎えるため、48時間以内に薬を使わないと効果が得にくいのです。ちなみに、インフルエンザワクチンはあらかじめ体内にインフルエンザウイルスの抗体をつくることで感染を防ぎます」

 とはいえ、予防投与しても発症するケースがあるのは当然。さて、あなたならどうする?

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