末期がんからの生還者たち

胆管がん<1>母親の慟哭に、耐えていた感情があふれ出し…

西口洋平さん(提供写真)

 頭の中で、自問自答を繰り返しながら西口さんは、ほぼ同世代の担当医師に、続けて第2の質問を放った。

「ぶっちゃけた話、自分はあとどのくらい生きられるのですか?」

 明確な返答はない。ただ口をもぐもぐとさせているだけだった。

 医師に背を向けて診察室を後にした西口さんは、絶望の淵に立たされた。岸壁から真っ逆さまに落ち込んで行くような心境である。

■がんは他人事だと思っていた

 息を深く吸い込み、まず母親に電話を入れた。西口さんは3人きょうだいの末っ子である。がんの告知を知らせると、嗚咽しているのか声が聞こえてこない。

 母親のあまりの慟哭に、診察室で耐えていた感情がいきなりあふれ出し、階段に座り込み涙がこぼれ出た。

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