がんと向き合い生きていく

3度目のがんが見つかった患者さんから届いた「3つのやりたいこと」

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 乳がんの克服からさらに10年がたち、今回は2度目の乳がんが見つかりました。10年前とは違った組織型の乳がんでした。

 今回、Fさんから頂いたメールには、「私ばかりなぜ?」という率直な思いと、不安な気持ちを抱えながらも、「これからやりたいこと」が3つ書かれていました。

「さんざん心配かけた両親をきちんと看取る」

 そうですよね。ご両親には本当に心配をかけてきました。でも、Fさんは何ひとつ悪くはないのです。

「孫の顔をみる」

 息子さんは立派に成人され、Fさんはもうそんな年になったのですね。あの若かった頃のFさんのことを思い出すと、「孫の顔をみる」なんて私には想像もつかないのですが、そんな幸せがきっと必ず来ると思います。

「ボランティアをする」

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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