クスリと正しく付き合う

副作用が出なかった人も薬の作用が重なり表れるケースが

副作用の「眠気」には注意が必要(C)日刊ゲンダイ

 鼻水やかゆみで抗アレルギー薬を処方された人が、風邪をひいて市販の総合感冒薬を服用することで2つの薬の作用が重なり、さらに強い眠気が表れるケースもあります。それまで、どちらか一方の薬を飲んでも副作用が出たことがない人も注意が必要です。

 ほかにも、「てんかん治療薬」や「抗うつ薬」など、眠気の副作用を起こす薬はたくさんあります。眠気の副作用で周りに迷惑をかけないためにも、薬を服用する際は、どんな副作用があるのかをしっかり確認して、用法や用量を正しく守ってください。耐えられないような強い眠気が表れることもありますから、「たかが眠くなるくらい……」と甘く考えてはいけません。

 また、当たり前ですが「睡眠導入剤(眠剤)」は眠くなります。使い方を誤って、「飲んでから活動して、眠くならない」という不眠症の患者さんが時々いますが、これは使用法が不適切です。眠剤は、飲んだらすぐに布団に入らなければなりません。

 副作用をなるべく起こさないようにするには、できるだけ適切に薬を使うことが大切なのです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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