医者も知らない医学の新常識

アメリカで最近注目の「超加工食品」でがんが増える?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 皆さんは超加工食品という言葉を聞いたことがありますか? ウルトラ加工食品という言い方をすることもあります。これはアメリカで最近注目されている食品の分類で、高度に加工された添加物の多い食品のことを指しています。

 具体的には「袋詰めのスナック」や「お菓子」がそうですし、「カップ麺」や「即席のお総菜」のようなものも含んでいます。こうした食品には多くの添加物や加工のために使用する化学物質などが含まれていて、その多くは自然な食事では皆さんの体には入らない物質です。

 スーパーなどでは今そうした食品があふれています。カップ麺はなるべく食べないように意識している人も、袋詰めのお総菜のようなものは、自然の食品と変わらないと思っていることが多いのですが、お肉の味がしてそのように見えても、実は自然のものに見せかけた加工品、ということも多いのです。

 今年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという医学誌に、超加工食品の危険性についての論文が掲載されました。それによると、超加工食品を10%多く食べると、がんになる危険性が12%も多くなる、という結果が得られています。ひとくちに超加工食品と言っても、いろいろな種類がありますから、全部に同じリスクがあるというのもやや乱暴な気がします。しかし、日本でも即席のお総菜などの安全性については、もっと調べる必要があると思います。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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