末期がんからの生還者たち

胆管がん<3>治療の実績がある病院が「手術はできません」

西口洋平さん(提供写真)

 ただ、西口さんは同僚に説明できない苦悩を抱えていた。12時間かかると予告されていた難度の手術が、わずか2時間で終わっていたことだ。開腹すると、がんは腹膜やリンパ腺にも転移しており、完治には外科的治療が適さなかったのだ。

 3カ月に1回、CT検査を受け、腫瘍の様子を観察していたが、東京逓信病院からは「当病院では西口さんのケースは手術を勧めないし、ベストな選択かもわかりません」と言われていた。

■初年度の負担金は60万~70万円

 諦めきれない西口さんはセカンドオピニオンを求め、病院から一切の検査資料を借りて「がん研究会有明病院」(東京・江東区)を訪ねた。期待したものの、回答はここでも「手術はできません」だった。

「名古屋大学医学部付属病院」にも連絡してみた。電話口で病状を訴えると、来院の要請どころかやはり「手術できない」と告げられた。

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