内科ではカテーテルでステント(網目状になった金属製の筒)を留置して血管を広げる治療が行われていますが、動脈硬化が進んでいるとカテーテルが通らないケースもあります。
外科では、足の動脈のバイパス手術を行っています。取り出した足の静脈を使って、血流障害を起こしている足の動脈にバイパスを作ります。血管が詰まっていない部分の“入り口”と“出口”を静脈でつないで血液を迂回させて血流を改善させる方法です。ただ、静脈も傷んでいてバイパスのグラフトとして使えなかったり、足の血管全体がボロボロでかなり長いバイパスが必要になるケースも少なくありません。そのため、治療成績は良いとはいえないのが現状です。
■ダチョウの動脈を使った人工血管も開発された
最近、そんな足のバイパス手術の大きな助けになる新たな技術が報告されました。国立循環器病研究センターの研究チームが、食用ダチョウの頚動脈を使って内径2ミリ、長さ30センチの小口径人工血管の開発に成功したのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」