気鋭の医師 注目の医療

大腸がん新知見 原発病巣は右より左の方が生存期間が長い

砂川優准教授(C)日刊ゲンダイ

「世界的にも左と右では、がん化の過程が違うという認識です。がんは遺伝子変異の塊ですが、その遺伝子変異の種類や仕方が違うということです。右原発巣では予後不良と関連がある遺伝子の変異頻度が高く、左原発巣では抗EGFR抗体の感受性に関する遺伝子の発現頻度が高いことが示されています」

 国内外の研究機関を含め砂川医師らが行っている研究は、さらに続いている。「左右差」というザックリした区分での有意差しか分かっていないからだ。

「例えば、同じ左大腸でも下行結腸とS状結腸では差があるのか。最近の研究データでは、やはり違いがあるのではないかという報告が出てきています。そのバイオマーカーとしての遺伝子の違いを調べています」

 並行して、胃がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果効能の違いなども研究しているという。

▽東京都出身。2003年日本医科大学卒。埼玉医科大学国際医療センター、昭和大学横浜市北部病院などに勤務後、13年に米・南カリフォルニア大学に留学。17年から現職。〈所属学会〉日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、日本癌治療学会がん治療認定医、日本臨床腫瘍学会指導医など。

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