前立腺がんは、全てのがんの中で最も増加率が高い。この前立腺がんのリスクを高めるのが肥満だ。
独協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授の井手久満医師によれば、肥満度を示すBMIが高いほど前立腺がんの発症リスクが高く、前立腺がんの悪性度が高いため予後が悪い。
特に要注意は、肥満の人にありがちな高コレステロールだ。
「コレステロール値が高い人は、前立腺がんが発見された時点で転移がたくさん見られます」
コレステロールは前立腺の細胞組織に多く蓄積されており、男性ホルモンであるテストステロンの“原材料”だ。つまりコレステロールが多い人ほど、テストステロンが多い。
前立腺がん細胞はテストステロンの量に依存して増殖するが、かつてはテストステロンは精巣と副腎で合成されてから前立腺に運ばれ、それによって前立腺がんの発症リスクを高めると考えられていた。