中高生の1割が自傷経験…専門医に“親のNG行為”を聞いた

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 自傷をする子供の共通点は「つらい時に助けを求められない。人を信用できない」。どうしようもなくつらいことがあった時、それを誰にも言えないから、つらい気持ちを意識の中で“切り離す”ために自傷を行う。自傷はリストカットがよく知られるが、「火のついたたばこを皮膚に押し当てる」「頭を壁に強く打ちつける」なども含まれる。

「自傷でストレス対処を繰り返していると、だんだん慣れが生じてきてストレスに脆弱になります。以前は自傷しなくても耐えられたことにも、自傷せざるを得なくなるのです」

 リストカットなどの自傷ではつらい気持ちを切り離すことができなくなり、つらい気持ちから解放される次の行動として、睡眠薬などの薬を過量に服用するようになる人もいる。過量服用では命が助かるケースがほとんどだが、目が覚めた時「自傷では対処できなくなっていたストレスが、昏睡状態で楽になった」と知り、“生きるため”に過量服薬を行うようになる可能性がある。

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